夏休みが終わり、学校生活が再開しました。
息子の生活リズムがちゃんと戻るのか少し不安でしたが、今のところ全く心配はないようです。
さて、夏休み期間に取り組んでいた「お手伝いお当番さん」ですが、現在も続いています。
最近、息子も娘も進んでお手伝いをしてくれるようになり、息子が1番やる気になるのは料理です。

母ちゃん!! ぼくが手伝うよ!!
と、朝食づくりを手伝ってくれることが多くなりました。
1 僕に任せて!!
先日、

僕がウインナーを炒める!!
と言って、張り切って台所に立っていました。
ふとみると、息子の姿に違和感がある…。
よく見ると、エプロンが前後逆になっている…。


これ、どしたん?
と息子に聞いてみると、

え? エプロンしとるんよ。いつも母ちゃんがしとるじゃん。
と言うのです。

なんか変じゃない?
と息子に問うと

え?
と言いながら、自分の状態を確認するのだけれど、不自然さに気づきません。
(軽度自閉スペクトラム症による、息子特有の認知感覚が影響していると思われます。)
ここで、エプロンをつける意味を一緒に考えてみました。

学校の給食当番の時もエプロンするよね? それはなんで着るの?

制服が汚れないように

じゃあこれ(息子が前後逆に着用しているエプロンを指差しながら)は、何のためにしているの?

…。あっ!! そっか!! 分かった!!
息子はエプロンを一旦脱ぎ、
「こういうことか〜」
と言いながら、前後逆になっていたエプロンを正確に着用しました。

2 心理学的な側面からみる
実は、このエプロンによる一連の流れには、心理学的な学習が含まれています。
それは、学習心理学の分野にある「社会的学習」です。
「社会的学習」の習得は、2つの段階に分けることができます。それは、「模倣学習」と「観察学習」です。
- モデルとなる人がやってみせ、学習者はそれを模倣し、上手くやれたかアドバイス(評価)を受けること。
- 「模倣」とは、自分で作り出すのではなく、すでにできているものをまねること。
- 自分自身が直接体験しなくても、他の人の行動を観察することで、その行動を獲得するということ。
- 厳密には、モデルと同じ行動を単純に取り入れる「模倣」と区別し、ある状態でのモデルの行動とその結果を観察し、モデルの行動そのものではなくそれらの因果関係を学習すること。
「お母さんに「エプロンをするのよ」と教わったので着用したら、服が汚れなかったので良かった」というのは、「模倣学習」。
「お母さんが、料理を作るときにいつもエプロンを着用するのは、服が汚れないようにするためである。だから僕もエプロンを着用する。」というのが「観察学習」。
どちらも必要な学習なのですが、「問題解決能力」を高めるためには、より後者が必要なのだと考えるのです。
さらに、模倣学習でもない「ただ単に真似ること」は学習ではないし、その人の自己成長であるわけがない。
指導する大人が「これいいかも」という発想で、種々の指導事例を単純にパッチワークすればするほど、当該の一連の指導には大きなブレが生じます。
ことば一つとっても、その語彙の定義を知らず、専門用語だからと安易に使用しているブログ等を見ると、残念だな〜と正直思います。
(この件については、別の記事にします)
自ら学ぶという姿勢があってこそ、相手に教える立場に立てると私は思います。
このエプロンによる学習で、また一つ成長した息子。こどもたちが主体的に学べる家庭環境であるために、親としてどうあるべきかを考えないといけないですね。
そして、おまけの寝相シリーズ。息子と娘のシンクロ率、99%です!!

©2019 Sayoko Sumimoto
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