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こどもたちの「安心」「安全」のために

通学路(提供,photoAC)
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毎朝,こどもたちが「安心」「安全」に登校できるために私ができることは何かと考え,「わがまちの安全をまもり隊1)広島県東広島市防犯連合会に登録しているボランティア団体。小学生を中心とした登下校時の見まもり隊以外にも、地域の防犯を目的にした夜間パトロール、青少年の健全育成のための声かけ運動等種々の活動している。(わがまちの安全をまもり隊,東広島市防犯連合会)」への登録をさせていただきました。
こどもたちと一緒に通学路を歩いてみて初めて分かったこと。「こども―保護者―学校―地域」のつながりを,改めて大切に感じました。

 1 「当たり前」は〈当たり前〉ではない

息子の小学校では,同じ地区に住んでいるこどもたちで班を編成し登校します。平成30年7月豪雨2)平成30年7月豪雨とは,2018年6月28日から7月8日にかけて,西日本を中心に北海道や中部地方を含む全国的に広い範囲で記録された,台風7号および梅雨前線等の影響による集中豪雨。同年7月9日に気象庁が命名した。で学区外に引っ越しを余儀なくされましたが,転校することなく,それまでと同じように学校に通っています。

登校時,登校班の集合場所まで毎朝息子を車で送ります。こどもたち10人が集まり登校していくのですが,私は必ずこどもたち一人一人に「おはよう。行ってらっしゃい!!」と声をかけ全員を見送ってから自宅に帰っていました。時々,こどもたちの姿が見えなくなるまでその場にいたこともあり,その際に「危ないな…」と感じていたことも正直あります。通学路は道幅が狭くカーブで見通しが悪い場所が数か所存在し,通勤時間と重なって交通量もある。通学路沿いの工場へ入っていく車も少なくありません。そして,この班だけ「見まもり隊3)登下校時の見まもりをしているボランティア団体」が一人もいないという状態でした。

「この子たちなら,大丈夫」

私の心の中には,このような思いがありました。「少し歩けば他の登校班と合流するし,そこには見守りのボランティアさんがいるから。」「こどもたちはみんなしっかりしているし,上級生さんは面倒見がいいから。」という感覚が,私自身の勝手な「大丈夫」につながっていたのだと思います。

そのような「不安」と「安心」を抱いたままで,いつものように息子を集合場所へと連れて行ったとき,起きてはいけないことが起きてしまいました。

咄嗟の出来事だったとはいえ,未然に防げたことでした。毎朝,元気に登校してくこどもたちを見送るのが「当たり前」となっていましたが,「当たり前」は〈当たり前〉ではないことを思い知らされ「私にできることは何か」をずっと考えました。

 2 思い立つ日が吉日

「何がいけなかったのか」「どうすればよかったのか」「これからどうすればいいのか」が頭の中をぐるぐる巡りつづけ,こどもたちのために「自分ができることは何か」をずっと考えていました。たどり着いた答えの一つは「見まもり隊への登録」です。

実は,過去に「危ないな…」と感じていた際に,「見まもり隊」に登録しようかなと考えたことがあったのです。しかし,その時は登録するまでに至らなかった。なぜならば,「この子たちなら,大丈夫」という気持ちがあったとともに,「娘が小学校に入学してからでいいか」と先延ばしにしてしまったからです。

「あの時,登録していたら…」

今更,後悔しても遅い…。二度と同じことが起こらないように,こどもたちの「安心」「安全」につながる活動をしよう。そのためには,娘の協力が必要でした。これまでに比べて1時間早く起床し,息子と一緒に朝の準備をして集合場所に向かい,通学路を歩き,その足で通学路に面した保育所へ登所することになるからです。娘に相談したところ,とても乗り気で目がキラキラと輝いていました。小学生のお兄ちゃんお姉ちゃんと一緒に歩けることへの喜びが強く,娘のやる気に繋がりました。

そうして,私は学校や地域の方と連携し,早々に「見まもり隊」に登録。毎朝こどもたちと一緒に歩くことになりました。

登校時 見守り隊
東広島市防犯連合会(わがまちの安全をまもり隊)

 3 それぞれの〈意識〉

こどもたちと一緒に通学路を歩くようになって,今日で3週間となりました。想像していた通学風景とは異なり,見まもり隊1日目から大きな課題に直面。来年度までに,どこまで体制を整えられるのかと試行錯誤しています。

一番に感じたのは,交通ルールに対するこどもたち一人ひとりの〈意識〉です。
学校全体で「登校班のルール」が設定されているのですが,なぜそのルールを守らないといけないのかという自覚が乏しい。その要因として,「車が避けてくれる」「見まもり隊の人がついてくれている」という先入観による安心感が大きいと感じました。

登校班は縦割りで構成されていて,高学年が班長として引っ張っていくようになります。この縦割り班という異年齢交流による「こどもたちで学び合える環境」が相互作用し,それぞれの成長を導いてくれたらなと感じながら最後尾を歩いています。

近隣の「仲間集団」の教育機能
近隣の「仲間集団」では、遊びを通して、人と関わることに慣れ親しむだけでなく、集団の一員としての自覚が促されてきました。みんなが楽しく遊べるためには、約束を守ることや、力の弱い者をかばうことなどが必要だからです。そうしたことは、年少から年長へと育っていく中で、役割の推移という形で学んでいくことでした。しかも、それは一部の能力のある子供だけの体験ではありません。誰もがその成長の過程の中で、お世話をされる側からお世話をする側になる、お世話された体験を活かしてお世話する体験を積む、という具合に身に付けるものでした。

「異年齢」による育ちのメカニズム,「人と関わる」喜びを育む、「異年齢交流」,子どもの社会性が育つ「異年齢の交流活動」—活動実施の考え方から教師用活動案まで—(国立教育政策研究所生徒指導研究センター,平成23年6月)

「居場所づくり」と「絆づくり」
教師が責任を持って行うべき「居場所づくり」と、子供が主体となるべき「絆づくり」(もちろん、教師はそれを支えていく必要があります)とを混同しないようにしましょう。教師主導でなされる「居場所づくり」の手法をそのまま繰り返せば、「絆づくり」や社会性の育成へと結び付いていく、と考えるのは間違いです。両者の取組において、教師に期待されている子供への関わり方は、極めて対照的です。

「教師が育てる」発想と「子供が育つ」発想の区別,変わることが求められている教師の関わり,子どもの社会性が育つ「異年齢の交流活動」—活動実施の考え方から教師用活動案まで—(国立教育政策研究所生徒指導研究センター,平成23年6月)

このような資料から見ても,異年齢交流で学ぶことは多く,私たち大人がどのようにこどもたちにかかわっていくかも重要視されます。資料では「教師」となっていますが,これは「保護者(親)」や「地域住民」でもありうることです。こどもたちが「させられている」と感じるのではなく,こどもたちが主体となって学び続けられるよう,登校班という「居場所」をつくり,「絆づくり」のサポートの必要性を,資料を拝見し更に強く実感しました。こどもたち一人ひとりが持つ能力を生かしていけるように,私なりのサポートができたらいいなと思います。

 4 さらなる「安心」「安全」のために

自分の命は自分で守る

ということで,まずは自分が学ぼうと,先日「普通救命講習」を受講してきました。

普通救命講習Ⅰ
広島県東広島市消防署で開催された,普通救命講習Ⅰ

約6年前,当時居住していたマンションの役員をしていたのですが,そこで「普通救命講習」を開催したことがあります。高齢者が多いマンションでしたので,救急車が到着するまでに自分たちでできることがあるのではないかと理事長に提案させていただいたことが契機となり,開催に結びつきました。

学校では,保護者による夏休みのプール監視のためのPTA講習で救命技術を学びます。
昨年の夏には,広島国際大学で開催された「救急救命士」のお仕事体験で,救命について学ばせていただきました。

福祉の職に就いていたこともあり,個人的に救命講習を受講してきた回数は多いですが,いざという時になかなか落ち着いてできることではありません。定期的な再受講で正確な知識及び技術の習得と,「私はできる」という自信の獲得が不可欠です。

知識として関心が大きかった一つに,「AED」についての説明がありました。
私も間違えて覚えていた一人なのですが,「AED」は電気ショックで心臓の動きを回復させるものではなく,「細動」4)心房細動とは不整脈の一つで、心房が小刻みに動き、けいれんするような病状を指し、それにより心房に血栓ができやすくなり、その血栓が脳に飛んで脳の血管が詰まるリスクが高まる病気と説明されています。([111] 心房細動といわれたら – その原因と最新の治療法 -,国立研究開発法人国立循環器病研究センター)を取り除くための機械ということを知りました。

AED(エーイーディー)とは、日本語で自動体外式除細動器と言い、心臓が心室細動などで血液をうまく送り出すことができなくなった場合に、電気ショックを与えることで正常な動きに戻すための機械。

AED(エーイーディー)ってどんなもの?どこにあるの?,応急手当講習会のご案内,東広島市

救命講習は,いざという時のために学んでおく必要はありますが,未然に防ぐ「予防」が最も大切です。救命を行うことがないように,日頃から気をつけることや自らが取り組めることがあるはず。万が一何か起きた時は,協力して救命に当たれるよう,「こども―保護者―学校―地域」における信頼関係の構築が希求されるのです。

応急手当の基礎知識
出典:応急手当の基礎知識,応急手当講習テキスト~普通救命講習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ~(岐阜市消防本部,Ver.8 2018.4)

見まもり隊として歩き始めて3週間。当初予定していた地点で終わらず「もっと学校の近くまで行きたい」と娘が言い出し,片道15分+(引き返して)保育所まで5分を毎日歩いている娘。登所時刻も今までに比べて1時間半も早くなり保育所で過ごす時間が長くなりましたが,「いっぱい遊べる~」と毎日ニコニコです。小学校に入学する頃には,足腰が鍛えられていることでしょう。

来年度の登校班の新編成にむけて,残りの1か月,こどもたちと共に〈命〉と向き合いながら交通ルールを守り,「居場所づくり」「絆づくり」に取り組んでいきます。

普通救命講習Ⅰ
普通救命講習Ⅰで交付される修了証

©2020 Sayoko Sumimoto

References   [ + ]

1. 広島県東広島市防犯連合会に登録しているボランティア団体。小学生を中心とした登下校時の見まもり隊以外にも、地域の防犯を目的にした夜間パトロール、青少年の健全育成のための声かけ運動等種々の活動している。(わがまちの安全をまもり隊,東広島市防犯連合会)
2. 平成30年7月豪雨とは,2018年6月28日から7月8日にかけて,西日本を中心に北海道や中部地方を含む全国的に広い範囲で記録された,台風7号および梅雨前線等の影響による集中豪雨。同年7月9日に気象庁が命名した。
3. 登下校時の見まもりをしているボランティア団体
4. 心房細動とは不整脈の一つで、心房が小刻みに動き、けいれんするような病状を指し、それにより心房に血栓ができやすくなり、その血栓が脳に飛んで脳の血管が詰まるリスクが高まる病気と説明されています。([111] 心房細動といわれたら – その原因と最新の治療法 -,国立研究開発法人国立循環器病研究センター)

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